2015年10月11日

子供の頃から、
うなぎがどうしても好きになれず、
山椒に至っては、少しでもかかっていると、手が付けられなかった。

しかしながら、
うな丼の汁を吸い込んだご飯は大好きなので、
一度、親にうなぎを全部あげて、
自分は、汁ご飯のみを食べてみた。

すると、これはこれで
つまらない味がする。

結局、うなぎの欠片を返してもらい、
ご飯にのせて食べたところ、実に具合よく、
これが一番のバランスと落ち着いた。

                    熱帯魚 ダッシュ

さて、アルゼンチンの伝統的なお菓子に、
アルファフォーレというものがある。

2枚のやわらかいクッキーの間に、
ドゥルセ・デ・レチェ という
甘い甘〜いキャラメルクリームをたっぷりはさんだ
お菓子です。

手作りのものは、大体、コーンスターチを使った、
卵味のクッキーが使われる。

このやわらかくもサックリした卵クッキーが美味しいのですが、
なにしろクリーム層が分厚く、
中くらい1個を食べきるのでも、途方もなく長い道のりに感じます。

                         チューリップ 

このアルゼンチンで生まれたクリーム、
ドゥルセ・デ・レチェ は、
あまりにもこちらの人に愛されているので、
特におばちゃん達の前では、「嫌い」とはなかなか言いづらい。

老若男女、
どんなに健康に気を使っている人でも、
ダイエット中のお嬢さん方も、
みんな、このドゥルセ・デ・レチェには、目がない。

まして、がわをはがして、クリームを残すなど、
それなら最初から食べるな、と叱責を食らいそうで、
未だに試したことがありませんでした。

               クローバー天使

先日、思いがけずアルファフォーレをいただき、
一人で家で食べることになったので、
ついに、念願の食べ方をやってみました。

そうしたところ、卵クッキーのみでは、やはり素っ気なく、
若干のクリームの欠片が残っている状態がベストである
と、判明する。

一人で静かに納得し、
大量に残ったドゥルセ・デ・レチェ を眺めながら、
うなぎの欠片丼が急に恋しくなった次第です。
 
                   ラーメン ヒヨコ

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2015年09月23日

雨の音楽

昨夜から、強い雨が降り続いています。

日本のちょうど秋分の日に、アルゼンチンでは、春になります。
大きな人形を燃やしたりして、春を祝う。
うっかりしていたら、今年もそのお祭りに行きそびれてしまいました。


雨は、次の季節を連れてくる。

トタンの屋根を打つ雨音は、それはそれは激しくて、
まるでジャンベの中に閉じ込められたような気がして
ずっと慣れずにいました。

しかし昨夜は、知らないうちに眠り込んで、
結局、寝坊するくらいよく眠りました。

こちらの人は、雨が降ると喜びます。
「あぁ、読書ができる」、「あぁやっと眠れる」
と言う。

やっとこさ、 その気持ちの端っこを感じることができました。
そして、春が来る。


とても素敵な音楽をみつけたので、
今日はゆっくり聴いて過ごそうと思います。
秋の来る日本にも。
María Pien ー
かわいらしく、自由で知的な音楽家です。

 

drecom_comamimi at 22:42|PermalinkComments(2)TrackBack(0)

2015年01月19日

Ruda

Ruda という、腹痛に効く薬草があります。
甘くておいしいので、 お茶にして飲もうと、庭の隅に植えました。

すると、お隣のおばさんがやってきて、

「まぁ、素晴らしい!
 やっかみ対策に 植えたのね。」

と、ニコニコして言いました。

おばさんによると、この草は、
他人からの嫉妬の悪い気持ちを、跳ね返す力があるそう。

雄と雌との2本あるのですが、
特に雌は、その力が強いとのことでした。

体はもとより、心のためにも薬草を使う、
というのがおもしろく、
それ以降、Ruda を眺めて暮らす。

2週間もすると、
なぜか雌だけどんどんしぼんで、
もとの1/4くらいの大きさになってしまった。

そこへまた、おばさんがやってきて、

「ほぉらね。雌は、吸収する力が強いのよ」と言う。

たしかに、雄の方は、目覚ましい成長はないまでも、
元気にもとのサイズを保っている。

興味深いながら、
一体なにを受け取ってしまったのか、若干不安にもなる。

       クローバー天使

この国では、
嫉妬を受けないための対策が色々あります。

車のバックミラーに、にんにくを丸ごと3個もぶら下げて
運転しているおじいさんをみたとき、
「そこまでにんにくを好きなのか・・・」と感心したのですが、
これも嫉妬対策。

ナンバープレートから、
赤いリボンをたなびかせているのもよく見かける。 

ボコボコで、窓ガラスもなくなって、
ラップで補強してある車でも、
しっかりリボンがついている。


人間は、おもしろいです。
そして植物は、繊細で力が強い。


Rudaがしおれてしまった私は、
にんにくを吊るした方がいいのかどうか…。

おばさんに聞きにいかなくちゃいけない。

       ヒヨコ帽子
 

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2015年01月15日

Guayasamín

エクアドルの画家
オスワルド・グアヤサミン(Oswaldo Guayasamín) の絵。

その絵画へのオマージュとして、

アルゼンチンの音楽家
レオポルド・マルティ(Leopoldo Martí) が音楽をつけたものです。


 

演奏は、クジョ大学のオーケストラによるもの。

南米には、「痛み」を表現した芸術が多いです。 



drecom_comamimi at 07:08|PermalinkComments(0)TrackBack(0)arte 

2014年12月29日

アルベルト

庭に、ついにカエルが住んでいることが分かった。
シトロネラの茂みから時々でてきては、
ボーっとしている。

けっこう大きいので、カエル嫌いとしては、
一刻も早く、どこかへ行ってほしいのですが、
近寄るのも怖いので、遠くから眺めている。

しょうがないので、アルベルトと命名。


涼しい日に、気づくと茂みの外にいて、
ボーっと固まっている。
何時間も形が変わらないので、
いったい何を考えているのか、不思議になる。

アルベルトの発見以降、
心なしか 蚊も減ったので、実はすこし感謝している。

渋い茶色なので、
ちょうど知恵のある老人が、
物思いにふけって固まっているようにみえる。

孤独なのか、頭が空っぽなのか、
俳句を考えているのか、はて一体何歳なのか。
彼をみていると、こちらも色々考えさせられる。


これ以上彼が巨大化したり、
友達を呼んできたりしさえしなければ、
まぁ、一緒に暮らしてもいいかな、とも思い始める。

名前をつけると、憎らしさが消えるのがいい。


でもやっぱり
5m くらいの距離は必要なので
庭にでるときは、わざとドタバタ歩いたり、歌ったりして
なるべく茂みに戻ってもらうようにしている。

 

drecom_comamimi at 23:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2014年12月26日

ネバー

アルゼンチンに行く、
と親に告げた際、母は一言、

「わたしだったら、納豆のない世界では生きていけない」
と半分怒ったように、ぽつりと言ったのですが、

そのシーンを何度思い出したことか、と思う程
納豆が恋しい。


アロエをご飯にかけてみたり、
麻の実を水につけてみたりと、
ネバネバするものを、一生懸命探してしまう。


「ネバネバ・・・」と考えるとき、
昔、受験で関西に行った際、道に迷うわぬようにと
叔父が、チラシの裏に路線図を書いてくれたのを思い出す。

朝の出勤前だったので、走り書きだったにもかかわらず、
ずいぶん丁寧な説明で、
一番下に「Never Give Up !!! 」と大きな字で書いてくれてあった。

なんだかとっても有り難くて、
お守りのように、そのチラシを大事にした。

実は今も手元に持っている。
    
     タバコ鳥

なにしろ私は、いろんな形で
「ネバ」に助けられています。

 
ちなみに、アロエの粘りは強力で、
ご飯にいれてぐるぐるかき混ぜると、
ずいぶん、納豆気分に浸ることができます。

                   温泉 カエル

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2014年12月15日

名付け

煩わしいものには名前をつける

最近、そうすることにした。
つける名前は、かわいらしい方がいい。

首にぽつりとできものができて、
それが日に日に成長した時、
心配ばかりしてため息をついていたら、
知人が突然、それにベロニカと名前をつけた。

ことあるごとに、
「ベロはどうだい?」と聞いてくるので、
様子を伝えているうちに、不思議なもので
親しみが湧いてくる。

その後、ベロニカが注目を浴びだして
「病院にいったらいい」とか、
「アロエを塗るべきだ」とか、会う人会う人に
いろいろなアドバイスをもらうようになった。

最終的に、
「ミシン糸を巻いて、一思いに締めると、きれいに切れる」というのを聞き、
痛そうだな、と一日中想像していたら、
翌日、自然にコロリと落ちた。
 
さすがのベロニカも
「そりゃたまらん」と思ったのだろうか。

      花ヒヨコ 

なにしろ、名前をつけると、
煩わしさがすこし楽しくなるのがいい。

    

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2014年12月10日

山の木と大鋸

 虫がおそろしかった。

 小鳥のくちばしがおそろしかった。


 若芽はのびた。


 こんどはナイフがおそろしかった。

 杖を切りに来る人がじろじろとその辺を見回しながら通っていった。 


 木はようやく太くなった。


 小鳥が虫を探しに来てよくとまる。

 今は小鳥は愛らしくなった。 

 しかし なたがおそろしい。


            赤ちゃん

庭の野菜の小さな芽をみる時や、
初めてのことに臨む時や、
なにかにつけ、ひょいひょいと
志賀直哉のこのお話が頭を横切ります。


このテンポが清々しい。


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2014年12月07日

ハイパータラちゃん

日中家にいると、
通りから子供達の遊ぶ声がよく聴こえてきます。 

赤い土の道で、
褐色の裸足の子達が、ボロボロになったボールを蹴り合って遊ぶ、
という、絵に描いたような光景で微笑ましい。


数人いる子供達のうち、 
一人、とてもかわいらしい声の子供がいます。
例えて言うならば、サザエさんのタラちゃんによく似ている。

そのタラちゃんが、大興奮して遊んでいるのを聞くのが、
 近頃の心の慰めになっています。

どんな子なのかなぁ、と探してみるのですが、
私が庭に出る時はもういなくなっているのか、
あるいは黙ってしまうのか、いまだに見つけることができません。


子供をみては、「この子かな?!」と
注意して耳を傾けるのですが、 なぜかその声がみつからない。

        みかん  鳥 

一昨日、八百屋さんへいった時、
裸足の子供が二人、赤カブを蹴って遊んでいました。

女の子に挨拶したところ、
恥ずかしそうに足で赤カブを転がしながら、
「やぁ」と答える。

男の子も目をくりくりさせて近寄ってきて、
下を向きながら挨拶する。

何を話すでもなく、ぴったりくっついて
私の一部始終を観察する。

「あぁここで、大喜びして叫んでくれれば
タラちゃんかどうか、わかるのになぁ・・」

と思いつつ、
なにか子供をエキサイトさせる妙案も浮かばぬまま、
静かに玉ねぎやピーナッツを買い、
お互いはにかみつつ、別れました。

なにか
子供がぎゃっと喜ぶ一発芸を身につけておけばよかった、
と後悔しつつ、家路を辿った次第。

タラちゃん探しは、今日も続いています。



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2014年11月28日

夏に向かう。

くるりと季節が回って、
1年が経ちました。

早いのか、遅いのか。

私は、今、アルゼンチンにいます。

こちらは、春の終わりにあります。

ギラギラ暑苦しい日と、スースー寒々しい日とを
繰り返しながら、夏に向かう。

PB050040


太陽も、空も、木も、
強くたくましい。

花までも、
「私はここよ」としゃんとした主張をする。
鮮やかな色や香りで。


子供達は、学校がもうすぐ終わって、
3ヶ月の巨大な夏休みに入る。

庭では、ヒナ達が巣立つ準備をはじめて、
飛ぶ練習をしている。
よく落っこちては、地上でもこもこと動いて、
こちらを驚かせる。


地球の裏側にきて、
クリスマスも誕生日も、冬から夏に変わる。

私はといえば、
夏生まれになれば、すこしはたくましくなるのか、と
こっそり期待したものの、相変わらず頼りないままでいる。

ですが、少しずつ
日々のことなどを書いていこうと思います。

 ...

ゆっくりですが、もしよろしければ、
お付き合い下さいませ。



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