2012年12月
2012年12月06日
雨音とアダモ
ここは 遠い場所で
音は ただひとつだけ
青空ひとつ ほかに
帰り道もない
「烟」という曲を弟が書いたときに、つけた詩です。
口笛のように歌う鳥の声が大きくて、
いつもよりも大きく声を出さないと、話す言葉が届かないような、
今、そんな場所にいます。
鳥や虫の声は不思議で、
いつでも歌っているのに、
まったく聞こえない時と、
うるさいくらいざわざわ聞こえる時とがあります。
しかしながら、
風が木の葉っぱを揺らす音は、
どんな時でも耳に飛び込んできます。
アダモという大きな木が近くにあるのですが、
風が吹くと、大変大きな音をたてます。
その音は、雨音にそっくり。
いつも、雨だ!と思って見上げると、
あっけらかんと晴れた空が広がっているので、
またアダモかぁ、とブツブツ繰り返します。
突然にわか雨が降り出すときの、
あの音。
風が吹いてその木が鳴ると、
今話していた内容をすっかり忘れてしまうくらい、
耳がさらわれます。